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Netflix映画『ザ・コール』感想考察。ネタバレあらすじ。秀逸な韓国スリラー!おすすめ。

2020年11月30日


Netflix配信中の韓国映画『ザ・コール』を観ました。
ひとつの電話が20年の時を越えて、とある家に住むふたりの女性を繋ぐサスペンススリラーです。
予想を三度裏切られた!先読み不可能のスリリングさが痛快で本当に面白かったです。おすすめです!

評価点80点
〔2020.11.30投稿〕

『ザ・コール』作品情報

監督:イ・チュンヒョン

キャスト:パク・シネ、チョン・ジョンソ、キム・ソンリョン、イエル、パク・ホサン、オ・ジョンセ、イ・ドンフィ

監督のイ・チュンヒョンは本作が初の長編映画です。

パク・シネは韓国ドラマ「美男ですね」「相続者たち」など出演作多数で、Netflix映画『#生きている』ではアクションもこなすヒロインを演じていました。

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チョン・ジョンソは『バーニング 劇場版』でスクリーンデビューした新鋭女優です。本作での怪演はさらに彼女の演技力を知らしめたといえるでしょう。

『ザ・コール』あらすじ。※後半ネタバレあり

舞台は2019年。ソヨン(パク・シネ)は入院した母親に会うために実家に戻ってきます。
過去に母の不注意による火事で父親を亡くした為、母娘関係は亀裂が入っていました。

病院の帰り道の電車で携帯を亡くしたソヨンが実家にいるときに、ハンズフリーの固定電話にヨンスクと名乗る見知らぬ女性から電話がかかってきます。

お母さんに殺される助けて、という電話でしたがソヨンは間違い電話だと思い切ってしまします。
その夜、家の地下室にヨンスクの日記があり、そこには「お母さんが霊を撃退するためだと言いわたしに火をつける」と書かれてありました。

翌日電話がありヨンスクという女性は1999年の同じ家から電話をかけていることがわかります。
偶然同い年であったソヨンとヨンスクは度々電話をして仲を深めていきます。

※以下にネタバレ内容があります。鑑賞前の人はご注意ください。

ある日ヨンスクの家に内見に子どもだったソヨンと両親が訪れます。その場で電話を繋いだヨンスクは、ソヨンの父親の声を聴かせて2019年のソヨンを喜ばせました。

ソヨン一家との接点ができたヨンスクは、ソヨンの父親を救うために1999年に起きたソヨン宅での火事を食い止めに向かうことにします。

無事に火事を防ぐことが出来た瞬間、2019年のソヨンの家には父親が姿を現し母と共に仲良く暮らしている生活が現れました。

ヨンスクに感謝するソヨンでしたが、あまりの幸せな生活に次第にヨンスクとの電話をないがしろにし始めます。

いくら電話をしても出ないソヨンに対してヨンスクは怒りをぶつけます。自宅で母親から悪魔祓いとして虐待を受けていたヨンスクは幸せそうなソヨンに苛立っていたのでした。

ヨンスクの様子が気になったソヨンは1999年当時のニュースを調べるうちに、ヨンスクが母親から殺されるという記事を見つけました。

記事の内容をソヨンから聞かされたヨンスクは、母親を待ち伏せ殺してしまいます。

その後、冷蔵庫に隠していた母親の遺体を見つけたイチゴ農場のソンホのことも殺してしまいます。

2019年の自宅でソンホと会っていたソヨンは突然ソンホと会っていたのに消えてしまったことを不審に思い警察に調べに行きます。すると1999年にソンホが殺されて、ヨンスクが逮捕されていたことが分かります。

電話で問い詰めたソヨンに対してヨンスクはなぜ自分が捕まったのか調べるように命じて電話を切ります。

そこに、内見の件でソヨンと父親が家に訪れます。ヨンスクはソヨンへの怒りから父親を殺して子どものソヨンを人質に取り2019年のソヨンになぜ自分が捕まるのか問い詰めます。

2019年のソヨンは知恵を絞り、1999年に爆破事故が起こる現場にヨンスクをだまして呼び出します。爆破の巻き添えに遭ったもののケガを負うだけで済んだヨンスクは子どものソヨンに熱湯を浴びせてやけどをさせてしまいます。

2019年のスヨンの腹部から足にかけてやけどの跡が見る見るうちに広がっていきます。

ヨンスクの家(1999年の)にこれからスヨンの母親がやってくることになり、母親を殺すとスヨンに電話口で脅します。

夫と娘スヨンが帰宅しないことを不審に思った母は警察と一緒にヨンスクの家を訪ねたのでした。

ヨンスクの家で母親は電話をかけます。その先にはスヨンがでて「今すぐその家を出るように」と告げられたのでした。

隙をついて警察を殺したヨンスクは、スヨンの母親にも襲い掛かります。幼いスヨンを守るため必死にヨンスクと格闘した母親は、家の2階からヨンスクと一緒に転落して死んでしまいます。

2019年のスヨンはお墓参りにいき、母が死んでしまったのだと途方に暮れていましたが、そこに母が現れ、手や首には格闘時に負った傷がありました。

お墓から帰る道すがら、母親の姿が消えていきます。

1999年のヨンスクは、スヨンの母親が警察と一緒に来る前に電話をその身から離さないようにと忠告していたのでした。

監禁され拘束されたスヨンは恐怖に怯え、叫びます。

『ザ・コール』感想、考察。ネタバレあり。

面白い韓国映画でよくある、前半と後半で映画のジャンルが変わってしまう現象を本作でも目の当たりにしました!

よくあるのが、前半コメディチックな笑いが織り交ぜられていたのに後半にかけてかなりシリアスになっていくもの。「タクシー運転手」や「コクソン」もその要素があったような気がする。

本作の前半は、電話を通して不思議なパラレルワールドで繋がった女性ふたりが仲を深めていきます。
若干のホラーっぽさを醸しながらも中盤からはスリラーへと変わっていくのが見事で引き込まれっぱなしになりました。

『アベンジャーズ エンドゲーム』のタイムリープ理論とは全く違う理論を用い、過去を変えると現在が変わってしまうという設定を生かし切ったストーリーだったといえます。

過去にはどうやったって勝てないというのが分かっているから、身動きがとれない主人公。それでも機転を利かせてたくましく戦うヨンス。

そこに母親が登場することで前半の伏線回収が利いています。火事の原因が母のせいではなかったという事実も明かされ、親子愛を描く演出に心をぐっと掴まれるのは間違いないでしょう。

そして本作で最も面白かったといえるのがラストの墓の帰り道からのシーンです。
続編が作れてしまいそうな、いい意味で後味の悪いラストは強烈なインパクトを残しました。

脚本の良さはもちろんのこと、パク・シネとチョン・ジョンソのふたりの演技合戦があってこその本作の面白さだといえます。

とくにチョン・ジョンソ演じるが殺人鬼としての本性をあらわしてからの恐ろしさが強烈で、『バーニング』とはまた違う狂気的な演技は圧巻でした。今後の作品にも大注目の女優のひとりです。

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