
ハラハラするし、ゾンビのクオリティも高くて面白いんだけど、後半が残念。ユ・アインの演技は良いけど『新感染』には及ばず。
評価60点
もくじ
『#生きている』ネタバレあり感想、考察
Netflixオリジナル作品『#生きている』は、映画『バーニング』や『ベテラン』のユ・アイン主演によるゾンビ映画です。韓国では6月24日に公開され初日に20万人、3日後には50万人の観客動員数を突破したヒット作となっています。
『#生きている』は、「もし明日ゾンビがいる世界になったらマンションから出ずにどのくらい生きられるかな?」ってだれもが一度は考えたことあるシチュエーションをリアルに描いていました。
主人公は家にひきこもってゲームばっかりしていたからドローンなど最新機器オタクで、ヒロインは登山経験があったので、サバイバルグッズをばっちり用意できていたのが功を奏して面白かったです。
SNSを活用して救助が広がっていくというのはまさに今の世の中ならでは。
イヤホンコードが欲しいけど、ワイヤレスしかない!というシーンが便利になりすぎた現代で起きそうな、細かいけど共感度が高いシーンだったと思います。
一番印象的だったシーンは、主人公がドローンを飛ばし食糧を分け合うシーン。ハイテクとアナログの融合というか、赤いロープがロマンチックにすら見えて記憶に残りました。
しかし、前半はリアリティとハラハラでとても楽しめたのですが、いざふたりで8階へ逃げようとなってからが物足りなさを感じたのが正直な感想です。そう感じた点はふたつ。
ひとつめが、ゾンビ化した奥さんをかくまうシーンの驚きの薄さ。
「ウォーキングデッド」でゾンビにまつわるあらゆるパターンの心理ドラマを見たせいか、そのくらいじゃ驚かないんですよね…。最初から男の人怪しすぎたし。
とはいえ、貞子っぽいゾンビの迫り方はめちゃくちゃこわかった!
これに関しては「ウォーキングデッド」未見のひとは普通に楽しめるのかもしれません。
ゾンビものが好きな人なら「ウォーキングデッド」見てない人の方が少ないとは思いますが。
ふたつめは、ゾンビのスピード感と数からいってそんなに逃げるのは簡単じゃないんでは?という点。ゾンビたちが威勢がよくてかなり強かったので、もっと心理戦というか計画性のある斬新な方法で屋上に向かう展開があればよかったのではと感じました。
ダッシュでどうにか切り抜けるより、ドローンとスマホを使って他の場所にゾンビを引きつけたり、マンションの構造やメカを駆使したシーンがあれば説得力があるし、新しいゾンビ映画として面白味があったのではないでしょうか。
あと、ヒロインのキャラが強気だったので、主人公が自転車でゾンビたちを抑えるシーンではなく、別な形でヒロインの強さと賢さを生かした見せ場があればキャラの魅力も出て面白いのにと感じました。女性が強い映画は今多いし。
ユ・アインが部屋でひとりで苦悩する演技はすっごく良かったので、もはやそのままひとりで最後までいっても観れた気がします。
▼一緒に観た夫の感想▼

評価30点
▼補足▼
韓国ゾンビ映画といえば『新感染ファイナル・エクスプレス』(2017)のインパクトがかなり大きかったと思います。
韓国での観客動員数は1,156万人。ケタ違い…!続編『半島』が2020年7月に韓国をはじめとしてアジア諸国で公開され大ヒットしているとか。。早く観たい!
※画像はIMDbより引用