ヒューマンドラマ

『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』ネタバレなし感想、考察。実話を元にした感動と笑いの物語。

2021年7月5日

こんにちは、あゆみです。

試写会にて7月9日公開『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』を観ました。

感想、考察をネタバレなしで解説していきたいと思います。

元オリンピック水泳選手が差別発言をしてしまい、処罰としてゲイの水球チーム「シャイニー・シュリンプス」のコーチに任命されるところから物語ははじまります。

笑った!そして最後はうるっときてしまいました。 

監督、脚本は実際にシャイニー・シュリンプスのチームメンバーであるセドリック・ル・ギャロと、彼から協力を求められた映画監督のマキシム・ゴヴァ―ル、のふたりです。

セドリック・ル・ギャロの体験をもとに描かれたという本作。ゲイの友達がひとりも居なかったセドリックが、シャイニー・シュリンプスに加入して、かけがえない仲間に出会えたことで人生が変わったという実体験をもとに感動的なストーリーになっています。

『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』キャスト

© LES IMPRODUCTIBLES, KALY PRODUCTIONS et CHARADES PRODUCTIONS

キャスト

マチアス

二コラ・ゴブ

ジャン

アルバン・ルノワール

セドリック

ミカエル・アビブル

アレックス

デイヴィット・バイオット

ダミアン

ロマン・ランクリー

ジョエル

ローランド・メノウ

グザヴィエ

ジェフリー・クエット

フレッド

ロマン・ブロー

ヴァンサン

フェリックス・マルティネス

『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』感想、考察

人生を楽しむためのヒントとは

© LES IMPRODUCTIBLES, KALY PRODUCTIONS et CHARADES PRODUCTIONS

本作はゲイのメンバーによる水球チーム「シャイニー・シュリンプス」が、世界最大のLGBTQ+のスポーツの祭典・ゲイゲームズ出場を目指して奮闘します。

しかし、描かれているのはスポ根ではなくメンバーそれぞれの苦悩や生き様です。

勝つことより仲間たちと楽しく過ごすことが大切だと考えている彼らは、当然練習も真面目にしません。試合前に飲みに行ったりやりたい放題…。

しかしそんな奔放な姿から、主人公のマチアスは次第に人生を楽しむヒントを見つけていきます。

マチアスは元水泳オリンピック選手でしたが、最近は成績不振によって世代交代をささやかれていました。

元妻との間にはひとり娘がいて、これまでの人生で水泳が一番で家族は二の次だった様子が伝わってきます。

そんな人生のスランプに陥っていたときにシャイニーシュリンプスのメンバーたちと出会うのです。

予告編では、「ゲイ嫌いのコーチ」としか説明がありませんが、このマチアスの設定が本作では重要になっています。

単なる差別主義者というよりは、人生に躓き自分のことしか考えられない男が、シャイニーシュリンプスのメンバーたちの様々な生き方や前向きさから、人生を楽しむヒントを見つけていくのです

皮肉やブラックユーモア満載で描かれるリアル

© LES IMPRODUCTIBLES, KALY PRODUCTIONS et CHARADES PRODUCTIONS

シャイニーシュリンプスのメンバーは全員まるで家族のようにお互いに全く遠慮なく、何でも話します。

ゲイ同士だから言えるだろうジョークや皮肉が満載で、コミカルさと笑顔が溢れる彼らの姿には思わず笑いがこみ上げます。

そして、後半にかけては笑いだけでなく涙を誘うシーンもありました。このシーンでは、シャイニーシュリンプスのメンバー全員が息をそろえて彼ららしさを最大限表現します。

ここで印象的だったのが、彼らに対して嫌悪感を見せる人々の存在もきちんと描いた点でした。

彼らの置かれる現状は、すぐに変わるものではなく差別的な目が向けられることや、いまだに受け入れない人々もいるのです。

しかしその中で感動の涙を流すある人物の姿が映し出されたときに、胸が熱くなりました。見事な演出です。

ユーモアの中に現実を描くことができたのは、監督の実体験あってのことでしょう。

監督は、インタビューでキャラクターそれぞれに自分の要素を投影させたと話しています。

個性的なキャスティング

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個性的なシャイニーシュリンプスのチームメンバーのキャスティングは、オーディションによって行われたそうです。

一番難航したのは、性別適合手術をしたフレッドのキャスティングだったとか。

パリの歓楽街ピガールのキャバレー「マダム・アーサー」で踊り子をしていたロマン・ブローを見つけたそうです。健康的で美しくて、女優さんかと思いました…

そして、キャスト陣は撮影前に3ヵ月間のトレーニングを行い立ち泳ぎができるよう徹底的に準備を行ったのだそうです。

メンバーの中には泳げない人もいたようですが、映画を観ると分かるように、自然に試合をしていて全くそんな面影はありません。

全員のキャラクターが生き生きとしていたからこそ、作品にのめり込むことができたと思います。

まとめ

© LES IMPRODUCTIBLES, KALY PRODUCTIONS et CHARADES PRODUCTIONS

『シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち』は、最近あんまり笑っていないな、という人にぴったりの映画だと思います。自分の生き方に固執して、いつの間にか疲れてしまっている人の心をほぐしてくれる映画となっています。

飛び込んだプールの中の映像からは、夏らしい涼しさを、風を切って走るオープンバスに乗って笑う彼らからは爽やかな

気分を感じられることでしょう。

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