ヒューマンドラマ

『ヤクザと家族 The Family』感想、考察。新しいヤクザ映画の形。【ネタバレなし】


映画『ヤクザと家族 The Family』を観ました。
イメージしていたヤクザの映画ではなく、漢の生き様を描いたヒューマンドラマだった!
評価点80点

『ヤクザと家族 The Family』作品情報

監督・脚本:藤井道人

キャスト:綾野剛、舘ひろし、尾野真千子、北村有起哉、市原隼人、磯村勇斗、菅田俊、康すおん、二ノ宮隆太郎、駿河太郎、岩松了、豊原功補、寺島しのぶ

『ヤクザと家族Family』あらすじ

「新聞記者」が日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた藤井道人監督が、時代の中で排除されていくヤクザたちの姿を3つの時代の価値観で描いていくオリジナル作品。これが初共演となる綾野剛と舘ひろしが、父子の契りを結んだヤクザ役を演じた。1999 年、父親を覚せい剤で失った山本賢治は、柴咲組組長・柴崎博の危機を救う。その日暮らしの生活を送り、自暴自棄になっていた山本に柴崎は手を差し伸べ、2人は父子の契りを結ぶ。2005 年、短気ながら一本気な性格の山本は、ヤクザの世界で男を上げ、さまざまな出会いと別れの中で、自分の「家族」「ファミリー」を守るためにある決断をする。2019年、14年の出所を終えた山本が直面したのは、暴対法の影響でかつての隆盛の影もなくなった柴咲組の姿だった。(映画.COMより)

『ヤクザと家族Family』予告編

 

『ヤクザと家族Family』感想、考察。

 

本作は1999年、2005年、2019年が舞台の3部構成になっています。

1999年では主人公の山本賢治が父を亡くし柴咲組と出会うまで。2005年の2部では柴咲組の一員としての生きざまを。そして本作の核ともいえるのが2019年の山本を描いたパートです。

ヤクザというと実生活で馴染みがなく縁遠い存在ですが、本作はヤクザ映画ではなくひとりの男についての物語だといえるでしょう。
ひどく不器用な男の、悲しくも潔い生き方には胸が熱くなりました…。
特にラストに関しては「漢!」っていう映画が好きな人にはかなりウケるんじゃないかと思います。

現代を生きるヤクザの生きづらさと、最後まで追い求めた「家族」というテーマを一貫して伝える脚本、そして経年を感じさせるキャストの演技や迫力。リアル感溢れる演出は見事でした!

前半からしきりに「時代は変わっていく」というセリフがあり、2019年になって完全に変わってしまった現在が描かれています。

反社会勢力の内情については実際のところほとんど知りませんが、そちら側の人が観たらどう感じるのかは気にはなるところ。ここまで落ち目になったヤクザの姿は、暴対対法改正案施行後の現状ってここまで悲惨なんでしょうか…。
頭の中は、武映画で止まっていたので。。

主人公の激動の20年を演じ切った綾野剛の演技力というか憑依力が凄まじかったです。ただ怖いもの知らずだった時から、ヤクザの中堅、そして14年後…。目つきや話し方の変化が凄い!

そして、エンドロールの歌が歌詞を含めてこの映画そのものを表わしていて、エンドロールの最後まで含めてこの映画は完成されていると感じました。

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