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Netflix『もう終わりにしよう』ネタバレ考察、感想。記憶に残る怪作。

2020年9月7日

想像を上回る怪作を観てしまった。なんか悪夢を見ていたような感覚…。

ホラーより怖いもの観た感すごい。吹雪の中のドライブは絶対に行きたくない。。

ちょっとだけデビッド・リンチの世界を彷彿とさせたなぁ。
評価65点

『もう終わりにしよう』キャスト

ジェシー・バックレイ
ジェシー・プレモンス
トニ・コレット
デヴィッド・シューリス
ジェイソン・ラルフ

『もう終わりにしよう』ネタバレあり感想、考察。

Netflixオリジナル作品『もう終わりにしよう』(原題:I'm thinking of Ending Things.)は、『マルコヴィッチの穴』や『エターナルサンシャイン』で脚本を担当したチャーリー・カウフマンによる監督作品です。

本作を観終わって最初に思ったのが、主人公は女性の方(ジェシー・バックリー)じゃなくてジェイク(ジェシー・プレモンス)の方だったのね、ってこと。最後に学校で会った掃除のおじさんはジェイクだったと解釈しました。実家で貸してくれたのと同じスリッパを持っていたし。

これは私なりの解釈ですが、結論として実際のジェイクは現在50歳で(ディナー中に母親が口走っていた)恋人の女性は想像、妄想の中の人。もしくは過去の恋人だったのではないかと思います。

ジェイクの実家で両親が部屋を移るごとに年老いたり、若返ったりするのはふたりともジェイクの記憶の中にあるからで、実際は死んでいる。

過去の恋人もしくは想像の中の女性を自分のものにしたくて実家に連れて行ったというストーリーだったのではないでしょうか。

お腹を蝕まれながらも生きている豚とジェイクが重なるように歩いているシーンから、豚=ジェイクを表しているということ。実家のジェイクの部屋にも豚の置物が沢山あったし…。

ジェイクは現実に失望しつつ生きているしがない中年男性。本当は映画のなかの男女のようにロマンチックな恋をしたり、研究を認められて表彰されたかったが叶わなかった。
現実を受け入れたくない男の悲しい物語だったのではないかと思いました。なんてツラい…。

ホラーであり、パラレルミステリーであり、切ないヒューマンドラマ

まず前提として、別れるつもりの彼氏の両親に会いに行くかね?って感じですが、車中のふたりの会話は普通に和やかで何も知らずにポスターにつられて観はじめた人なら、ヒューマンドラマかなくらいに思うかもしれません。

ただ実家に着いてからは完全にホラー。トニ・コレットがホラー。『へレディタリ―』臭がすごかったですね。
ここで誰か死んだり、地下室で何かが現れたら怖いけど、そんなことせず心理的に恐怖心をあおる「ありえない」状況の連続が本当に不穏!
ここだけで一本の映画になりそうなものを、この家を出てからの展開がますます不穏。

でもこの時点ではおかしいのは両親で、ジェイクへに疑いの目が向けられる演出はあまりないのでラストへ近づくたびにじわじわ謎が明かされていくのがうまいところかと。突然のミュージカルからの豚…。もう正直よくわからない感覚で観てました。

いろいろ考察こねくり回すのが好きな人にはたまらない映画なのかもしれません。
原作本は未読なので何とも言えませんが、併せて読むと理解できるのかも。

※原作はイアン・リードの「もう終わりにしよう」(ハヤカワ・ミステリ文書)

※画像は映画.comより引用

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