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『行き止まりの世界に生まれて』感想、ネタバレなし。リアルでドラマチックなドキュメンタリ―映画。

2020年9月16日

濃密な人生の数年間をしっかり見届けた…!ドキュメンタリー映画だけどドラマチックで最後まで目が離せなかった。スケボーかっこいい…!

評価85点


〔2020.9.16投稿〕

『行きどまりの世界に生まれて』感想。ネタバレなし。

スケボーでつながっていた3人の青年がそれぞれの寂しさや苦悩に向き合っていく。
結局ひとは育った環境に影響されて、おとなになっていくんだと感じました。

足りない愛情や知らないぬくもりを求めた末、手に入れられる人もいればそうじゃないひともいる。

だけど、悩みながらも向き合い続けることで苦しみから抜け出すことができるというメッセージを感じ取ることができた気がします。

ドキュメンタリーなのにとてもドラマチックで、エンドロール寸前まで彼らの人生にくぎ付けになってしまいました。

メインキャストである3人の青年と同じくらい重要な存在といえるのは、ニナでしょう。女のわたしにとっても共感しないわけがなく、彼女の賢明さは救いになったと感じました。

本作は、出演者の一人であるビン・リューの初監督作品だそうで、12年もの年月で撮影した膨大な映像を見事に編集し、クライマックスにかけて3人の抱える問題がひとつに重なっていく構成が素晴らしいです。

ただのスケボー好きだった10代の少年が年を取り、逞しさや困窮した大人の表情を見せる姿は実際の映像を根気強く撮り続けていなければ成しえなかったし、彼に監督としての才能がなければ観る者に訴えかける映画にもなっていなっただろうと思います。
スケボーシーンの疾走感は最高に気持ちいい!

本物の経年が成せる説得力は、『6サイのボクが、大人になるまで』や『ビフォアサンライズ』シリーズのリチャード・リンクレイターを彷彿とさせました。現在はシカゴの銃犯罪についての映画を製作中だそうなので今後も注目していきたいです。

画像は映画.COMより引用

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