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『オン・ザ・ロック』あらすじ、感想。ネタバレあり。ビル・マーレイのひとたらし感がたまらない。

2020年10月8日

 

軽妙なテンポとニューヨークの洒落感がすごく心地いい。ビル・マーレイのゆるい中に見えるどうしようもない女たらしな雰囲気がすごくマッチしていた。
女たらしというか人たらしな男性は魅力的。ただ、父親や恋人としては嫌かも。友達や友達のお父さんとかならいいな~。

評価75点  

『オン・ザ・ロック』あらすじ

ニューヨークに住むローラ(ラシダ・ジョーンズ)は可愛いふたりの娘と愛する夫ディーン(マーロン・ウェイアンズ)と何不自由なく暮らしていました。しかし、子育てに追われる日々、自分の執筆活動がはかどらず焦りを感じていました。

そんな中、出張続きのディーンが浮気をしているかもしれないという疑念を抱きはじめます。そこで女たらしの父親フェリックスに相談を持ち掛けます。フェリックスは浮気の事実を突き止めるため少し行き過ぎた調査をはじめます。そんな父親にローラは翻弄されて…。

 

『オン・ザ・ロック』作品情報

監督:ソフィア・コッポラ(『ヴァージン・スーサイズ』、『ロストイントランスレーション』、『SOMEWHERE』)
キャスト:ビル・マーレイ、ラシダ・ジョーンズ、マーロン・ウェイアンズ

A24とAppleによる共作で製作された本作。ソフィア・コッポラ×ビル・マーレイは『ロストイントランスレーション』以来17年ぶり!
7作目になる本作で監督は、ヒロインの女性に自分を投影させて現代を生きる女性の葛藤をリアルかつコミカルに描いています。

2020年10月23日からAppleTVで配信予定 

 

『オンザロック』感想考察。ネタバレあり

ソフィア・コッポラってこんな映画も撮るんだ~という驚きとその心地よさに満足感十分な映画でした

夫婦関係や仕事、子育てに悩む娘と自由気ままな父親が織りなすヒューマンコメディ。

ありがちな設定ながら飽きずに楽しく観られたのは、軽妙なテンポ感とラシダ・ジョーンズとビル・マーレイの魅力ではないでしょうか。

ローラは、可愛い娘たちと愛する夫がいて何不自由ない暮らしのはずなのに、自宅での執筆がはかどらない。今の自分はなんか違う気がする。自分だけの時間は限られていて、子どもの世話をして気づけば寝落ち...。という生活を送っていました。

そんな若い母親役を演じたラシダ・ジョーンズ。カジュアルルックで飾りすぎない装いもあいまって、彼女に共感する人は多そう。

彼女が夫の浮気を疑ったのはきっと夫が怪しかったこと以前に、自分のなかでもやもやを抱えていたからだと思います。きっかけがなんであれ今の状況を変えたい気持ちがあったんじゃないでしょうか。

そこに破天荒な父現る。(笑)

ビル・マーレイの、女たらしを通り越してもはや人たらし全開な言動は見てて楽しいし、いきなり現れておしゃれなバーやレストランに連れて行ってくれるのはすごく魅力的!

自分の本能のままに生きるからこそ、いろんな女性と関係を持つんだろうけどその人たちに対しても愛をもって付き合っていたのが伝わってきます。昔関係があったらしき女性と話すシーンや過去の恋人について語るシーンからもその色男ぶりがチラついていました。

やたらと歌うのも感情豊かなキャラクターを表していて、ビル・マーレイの歌声を堪能できると思ってなかったのでなんだか和みました。マイペースで女たらしだけど紳士なパパ感が最高にはまっていたと思います。

母娘の世代間ギャップを描いたシーンがいくつかありましたが、こどもに髪型の話をするシーンが印象的でした。
フェリックス(ビル・マーレイ)が「女性はロングがいいよ」と孫娘たちに話す一方、ローラ(ラシダ・ジョーンズ)は「ショートでも自分の好きな髪型ができる自立した女性になりなさい」と諭します。
母娘の根本的な世代間のちがいをわかりやすく表したシーンです。

ニューヨークのまちを赤いオープンカーで爆走するシーンはこの映画の名シーンだといえるでしょう。コミカルだけどすごくお洒落で、レトロな雰囲気と現代のミックスというような独特な魅力があるシーンです。
ときおり映るニューヨークの夜景がぼやけているのがまたすごく良い味わいでした。

口笛をうまく吹けないローラが、上手なフェリックスに教わって練習するシーンがよく出てきていましたが、最後のシーンではローラは上手に吹けていました。「口笛=肩の力をぬいて」というメッセージだったようで、父から娘への愛あるアドバイスにほっこり。

いろんなことを考えていっぱいいっぱいになりがちな女性におすすめしたい映画でした。

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