Netflix サスペンス

Netflix映画『その住人たちは』感想、考察。あらすじネタバレあり。人生を取り戻す極上の胸糞映画。

2021年2月19日


Netflix映画『その住人たちは』を観ました。
なんて胸糞映画!でもよく出来てた…。
後味悪い系好きな人にはおすすめ!
評価78点   

『その住人たちは』作品情報

脚本・監督:アレックス・パストール、ダビ・パストール

キャスト:ハビエル・グティエレス、マリオ・カサス、ブルーナ・クシ、ルト・ディアス

『その住人達たちは』ざっくりあらすじ【ネタバレあり】

元広告会社の重役の職を失ったハビエルは、再就職のための面接もことごとくうまくいかず、追い詰められていた。妻のマルガと息子のダニエルと3人で暮らす豪勢なマンションも手放さなければいけなくなってしまった。

面接を重ねるも、同業界からは時代遅れとみなされたり、インターン扱いを受けて怒りを抱えていた。妻は洋服売り場でパートの仕事を始める。
そんなとき、使用人に返してもらった以前の家の鍵を持って以前の家に訪れたハビエル。

窓の外から幸せそうな父、母、娘の姿が見えたのだった。翌日、再びその家に訪れ中に入ったハビエル。

その部屋で食べ物を食べたり、用を足したり自分の家のようにすごしていた。その家の娘は新体操の大会でトロフィーをたくさん持っていた。

帰宅したハビエルは、肥満のせいで学校でいじめられている息子を連れ出してランニングに出かけた。
急な坂を登らせたことで吐いてしまった息子。その様子を見て、「なぜ無理させたのか」と怒る妻にやりきれなさが募るハビエルだった。

前の家で、今の住人の荷物を物色しているとパソコンに交通事故で大怪我を負った妻と娘の写真があった。その家の主人トマスは酒気帯び運転によって交通事故を起こしていたのだった。

トマスが参加している断酒会にハビエルも参加し、広告マンらしく巧みに心理に入りこむような自己紹介をして仲を深めていくハビエル。トマスに頼み込み、身元引受人になってもらったのだった。

翌時またトマスの家にやってきたハビエルマンションの下の芝に肉を落としておいた。その肉を食べた隣家の犬が外で倒れる様子が見えた。

パソコンからトマスのスケジュールを同期する。またトマスのいる断酒会に参加したハビエル。
「他人の幸せを眺めて終わるのは嫌だ。もう遠慮はしない。」と話したハビエルだった。

トマスはハビエルを家に招待した。妻のララとモニカを紹介され、食事をして帰った。ララの父親はトマスの会社の社長だということを知る。

駐車場でわざと車をぶつけてトマスを呼びだしたハビエル。禁酒をやぶってしまったと嘘をつき、やってきたトマスが酒瓶を取り上げようとするのに便乗して彼のシャツに酒をこぼしたのだった。
なげやりな演技をするハビエルに「一杯でも飲んだら終わりだ。俺はピーナッツアレルギーで一粒でも食べたら死んでしまう。それと同じだ。」と話して励ますトマス。

携帯の充電がないからと言って、トマスに携帯を借りハビエルは自分宛のメールを送信していた。
そして、トマスにララには黙っていてほしいと頼んだのだった。

マンションの清掃員に姿を見られ、脅されたハビエル。前の居住者だと黙っている代わりにモニカの下着を盗んでくるよう頼まれたのだった。

ララは酒の匂いがするトマスのシャツを見つけて問い詰める。トマスはハビエルに黙っていてほしいと頼まれたから話さなかったのだが、そのあとララはハビエルを呼びだす。

もうトマスに会わないでほしいという話だったのだが、ハビエルはトマスが酒を飲んで事故を起こしたのだと話した。ララには言うな。という彼からハビエル当てのメールを見せて騙したのだった。

自宅で狼除けスプレーに注射器で何かの液体を注入するハビエル。

昼間に盗んだモニカの下着を清掃員に渡したが、彼は監視カメラを仕掛けるようにさらに言いつける。

ハビエルは清掃員のロッカーに忍び込み何かに細工をしていた。

そしてハビエルはトマスの会社にやってきた。トマスと口論になり、殴られてしまう。殴られて笑顔を浮かべるハビエル。その後マンションにやってくると清掃員は救急車に運ばれていた。
芝刈り機に仕掛けをして発火するようにしていたのだった。

殴られたハビエルを手当てするララ。モニカを守るためだといって、犬除けスプレーを渡して帰っていった。

モニカが憧れている新体操選手にコネがあったハビエルはララとモニカを連れて会いに行った。記念撮影をした写真をトマスに見せびらかすようにメールで送りつけたハビエル。

怒ったハビエルは家に帰宅して問い詰める。激昂するトマスにとっさにララはハビエルから貰った狼除けスプレーを吹きかける。

するとトマスは苦しみ倒れてしまった。殺してしまったと焦るララはハビエルに電話を掛けた。

駆けつけたハビエルは、警察を呼ぶからとララを別室に行かせた。するとわずかに息があったトマスがハビエルを睨みつけた。

「君には不相応だ」と言って、ハビエルは首を絞めてトマスの息の根を止めたのだった。証拠になるスプレーを別のものにすり替えて警察を呼ぶハビエル。

職場に元妻マルガが訪れ、証拠品のピーナッツが家にあり全て知っていると告げる。何か月も迷ったが警察に提出するつもりだと。

ハビエルは、話す代わりに、息子のために貯めた教育費と貯金が消える。家も自分の名義だから路頭に迷うことになるぞ、と脅したのだった。

昔にハビエルがつくったCMに出てきた豪邸でララとモニカと家族になり幸せそうにすごしているハビエルの姿が映し出される。

『その住人たちは』感想、考察。ネタバレあり

恐ろしい胸糞感!鑑賞後の後味の悪さったらない!しかし、よくできていた。ここまで徹底しているともはやあっぱれです…。

これ、前半で就活に苦しんでみじめな思いをしている主人公に同情してしまうところから仕掛けだと思います。

キャリアはあるのにもう役立たずだと業界からみなされてしまった可哀そうな男…。そんな視点で見ていたからこそ彼の行動がどんどんヒートアップしていくのが信じられないし、恐ろしい。

そして現在の住人と仲良くなり初めて、彼の最終的な目的がどうなることなのか分からず先が気になってしまいます。どこまでやるんだこいつは…と。

そして、最後に証拠をにぎった元妻に「やれるもんならやってみろ」と言わんばかりの脅しを掛けるところで彼がはじめから計画的に全てやっていたことが分かります。

彼は家族を愛してなどおらず、自分の生活を守りたかっただけなのです。

これ、よくできているなと思ったのが主人公が広告マンという設定。ひとの心に残りやすいフレーズを作り出すことが得意な彼は、巧みにターゲットを心理的に操ります。

自作のCMで使っていたフレーズを利用しターゲットの悩みに漬け込んでいくのです。
そして、最後にはCMと同じ豪邸を手に入れて騙して手に入れた家族と一緒に家に佇む主人公。いや~見事。。まさかそういう伏線だったとは。にしてもあんな家住みたい。

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