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Netflix『ボーイズ・イン・ザ・バンド』感想、考察ネタバレなし。アメリカ初のLGBTQ舞台の映画化。

2020年10月9日

〔2020.10.9投稿〕

個性豊かな9人全員がしっかり濃く描かれていてすごい!それぞれの秘密や過去をワンシチュエーション会話劇で見事にまとめ上げていました。
キャスト全員が実際にゲイの俳優たちで、原作ははるか50年ほど前の舞台なのに現代劇にしてもこんなに強くこころを打つなんて…。

評価85点

〔2020.10.9投稿〕

『ボーイズ・イン・ザ・バンド』作品情報

監督:ジョー・マンテロ

原作:マート・クロウリー

キャスト:ジム・パーソンズ、ザカリー・クイント、マット・ボマー、アンドリュー・ラネルズ、チャーリー・カーヴァ―

1968年にオフブロードウェイで公演され、当時としては初めてのLGBTQ作品ということで話題を集めた作品です。

2018年にブロードウェイでリバイバル版が上映され、トニー賞演劇リバイバル賞を受賞しています

本作のキャストは2018年の舞台と同じ俳優たちです。プロデューサーのライアン・マーフィ含めて全員がゲイを公言しています。

作中でカップル役ラリーとハンクを演じたアンドリュー・ラネルズとタック・ワトキンソンズは実生活で交際中で、ふたりの養子を迎えています。 

『ボーイズ・イン・ザ・バンド』感想、考察

8人のゲイと招かれざるひとりの男の物語ということで、セリフ量がとにかく多い!予想はしてたけどほんとうによくしゃべる。だからこそ、ワンシチュエーションの会話劇で全員の個性と過去の秘密に触れられたのだと思います。
映画自体は約2時間でコンパクトなのにとても濃かった!

セリフだけじゃなく役者陣全員の繊細な演技もすばらしく、すごくハッピーな気分や胸が苦しいほど切ない思い出を語る様子、どれも生々しかったし彼らのパーティー覗き見ている感が凄かったです。

本作は、出演者全員ゲイを公言している俳優たちが演じていて、原作が初舞台化された当時とは明らかに状況が変わったといえるでしょう。
でも映画の中で描かれる彼らのおかれる状況というのは今も昔もそれほど変わらないかもしれません。

自分のアイデンティティを守るために賢明に声を上げる人もいれば、隠すことで自分を守る人も居る
いつになったらすべての人が自分のままで生きられる日がくるんだろうと思わずにはいれません。

映画の中で印象的だったのは、ハロルド役のザカリ―・クイント。ナイーブだけど我が道をいく!タイプの人物でクセが強い。現れた瞬間からただ者じゃない感満載の彼が、マイケルに確信をつくところは本当に真に迫るというかヒリヒリしました。

あとは、海外ドラマシリーズホワイトカラー以来のマット・ボマーファンとしては彼の魅力が出ていたなと感じました。冒頭のシャワーシーンはちょっとファンならずとも必見なのでは。(笑)
お色気は置いといたとしても、主人公マイケルを支える重要な役どころを好演していたと思います。

この映画を観終わったあと、自動的にメイキングの30分番組『制作・出演陣が語るボーイズ・イン・ザ・バンド』が始まってそのまま観たんですがこれはぜひ観るべきです!とくに映画が良かったと感じた人は楽しめると思います。
出演者のコメントが楽しめるのと、原作者の本作への思い入れが知れるのでより深くこの映画を好きになれたような気がします。

※画像はIMDbより引用

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