Amazonプライムオリジナル映画『明日への地図を探して』を観ました。
素朴で癒されるタイムループもの！おすすめ！
評価83点
※画像はIMDbより引用
もくじ
『明日への地図を探して』作品情報
監督:イアン・サミュエルズ
原作:レヴグロスマン
キャスト:キャスリン・ニュートン、ジョシュ・ハミルトン、カイル・アレン、アル・マドリガル、クリオ・フレイザー
マーガレット役のキャスリン・ニュートンは『名探偵ピカチュウ』（2019）のヒロイン役として出演していた他、ブラムハウスプロダクションの新作『ザ・スイッチ』ではヴィンス・ヴォーンとｗ主演を務めています。
マーク役のカイル・アレンは2021年公開予定のスティーブン・スピルバーグ監督による名作リバイバル作品『ウエストサイドストーリー』に出演。ほか、Netflix映画『All my life』に出演しています。
『明日への地図を探して』ざっくりあらすじ【ネタバレあり】
マークは、同じ1日を毎日繰り返していた。毎朝同じ父親と妹との会話。自転車に乗って学校に行ったあとはトラクターを運転してレストランでクラッチの当選結果を見る。
そしてプールでビーチボールに当たりそうになった女の子を助ける。それから友人の家に行ってテレビゲームをしながらおしゃべりする。
そして毎日0時になるとまた同じ朝に戻るのだった。
そんなある日、同じ毎日の中マークと同じように自由に行動できるマーガレットという少女に出会う。自分だけが世界に取り残された感覚だと共感し合い、互いに仲良くなっていく。
しかしマーガレットは毎日夕方になると「ジャレット」からの電話で家に帰ってしまうのだった。
どうしてタイムループがはじまったのか、どうしたら戻れるのかを探すためにふたりは協力して1日の間に起きる様々な奇跡を探しはじめる。
亀の道路横断によってできた渋滞。ベンチに座った人のうしろに出来た翼。高齢の男女が楽しそうにカードゲームをする姿。清掃員が誰もいない教室で美しい演奏を奏でる姿。
1日の間には小さな奇跡が沢山溢れていたのだった。
次第にマーガレットに惹かれ始めるマーク。仲が深まり、告白するも友達でいたいと言われて断られてしまった。
マークは飛行機に乗って日付線を越えれループから抜けられるのではないかと試したが叶わなかった。そして一緒に機内に乗り込んだはずのマーガレットは離陸寸前で飛行機
を降りてしまっていた。
1日の終わりに進路の話をする父親にうんざりしていたマークだったが、妹と話をしてみると父親なりに考えがあったことを知るのだった。
同じ毎日中で、いつもと違う行動をして他者と関わったときに新たな変化が起きることを知ったマークはスケボーにチャレンジして腕を骨折してしまう。病院にいると偶然マーガレットの姿を見つけたマーク。
マーガレットの母親はガンで入院していて、その日に危篤状態になってしまうのだった。マーガレットは明日が来ないように強く願ってから世界は止まってしまったのだと分かる。
しかし、マーガレットは遂に決断する。母親の死を受け入れないと自分を見失ってしまうと考え直したのだった。
マークと探した小さな奇跡に法則があることに気づいたマーガレットは、奇跡が起こった場所と時間を地図に書き起こしていった。その時間と場所を繋いでいくと四次元が現われることが分かったのだった。
そして最後のひとつの奇跡が7時にプールで起こることも分かった。
プールに向かうとマークが居た。
明日を迎えるときに一緒にいることが出来るひとだとマークに想いを伝え、奇跡の時間だと言ってキスをしたのだった。
母親に別れを告げたマーガレットは病院からマークと手を繋いで外に出た。すると時間が0時をまわり、雨が降り出したのだった。
『明日への地図を探して』感想、考察
同じ1日を何度も繰り返すタイムループものというと、作中では『恋はデジャヴ』の名前が上がっていたけれど、最近でいうと『ハッピー・デス・デイ』が記憶に新しい。
自分が殺される毎日から脱出するために奔走するストーリーで、振り切った笑いとドラマティックな展開に意外と感動もありの映画でした。
それに比べると、本作はかなり路線の違うループものという印象です。というのも、時間のループから抜け出そうとがむしゃらに動くというよりはそこに留まって、1日の中でさまざまな人や場所で起こる奇跡を探すシーンがあるからです。
これって、タイムループの中じゃなくても同じことをあてはめられるんじゃないでしょうか。同じように見える毎日のなかでも小さな奇跡を見つめて生きれば、どんなに世界は幸せに溢れているんだろう、と感じさせられました。
主人公の男の子が、まわりの人々をちょっとしたことで助けたり喜ばせるのも素敵です。
タイムループという設定ながら核となるメッセージは、普遍的なひとびとが抱く「時間との向き合い方について」というのがとても心に響く内容になっていたと思います。
不思議な現象の解決方法や起きた理由の解明よりも、どうやって彼らがそれを乗り越えるかということが重要…！
素朴ながらロマンティックで可愛いこの映画、お気に入りの一本になりました。