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Netflix映画『シカゴ7裁判』感想、考察ネタバレなし。映画館で観たかった良作!【鑑賞前に知っておくと良いこと。】

2020年10月19日

〔2020.10.19投稿〕


Netflix新作『シカゴ7裁判』観ました。ジョセフ・ゴードン・レヴィッドやエディ・レッド・メイン、マイケル・キートンら豪華キャストによる法廷劇!
圧巻のラストに胸が熱くなりました!
度重なる差別と理不尽な抑圧にもやもやが最高潮な中、最高のラストシーン。これは映画館で観ればよかった。
評価点85点  
 

Netflix映画『シカゴ7裁判』作品情報

監督、脚本:アーロン・ソーキン

キャスト:
サシャ・バロン・コーエン(アビー・ホフマン)
エディ・レッド・メイン(トム・ヘイデン)
ジョセフ・ゴードン=レヴィッド(リチャード・H・シュルツ)
マイケル・キートン(ラムゼイ・クラ―ク司法長官)
マーク・ライランス(ウィリアム・クンスラー)
アレックス・シャープ(レニー・デイビス)
ジェレミー・ストロング(ジェリー・ルービン)
ヤヒア・アブドゥル=マーティン2世(ボビー・シール)
ケルヴィン・ハリソン・jr(フレッド・ハンプトン)
ジョン・キャロル・リンチ(デイヴィッド・デリンジャー)
フランク・アンジェラ(ジュリアス・ホフマン)

1968年に起きたベトナム反戦デモをめぐり不当な逮捕、起訴をされた8人のおとこたちの裁判の過程を描く事実を基にした物語です。

もともとは2007年にスティーブン・スティルバーグ監督、アーロン・キーソン脚本によって製作が決まっており、ウィル・スミスがボビー・シール役、ヒース・レジャーがトム・ヘイデン役、フィリップ・シーモア・ホフマンがウィリアム・クンスラーを演じる予定でしたが、全米脚本家組合がストライキを決行した関係で一度中断。

その後予算の関係もあり無名俳優を使う意向になったようです。(主演はこの時点でもサシャ・バロン・コーエンのまま)

その後、全米俳優組合(SAG)によるストライキの動きを受けスピルバーグ監督が降板。その後ベン・スティラーやポール・グリーングラス
らの名が監督としてあがったもの決定せず…。

紆余曲折あって配給権をNetflixが獲得し、ようやくアーロン・ソーキンが監督を務める形で2019年9月にシカゴで撮影が始まりました。

アメリカでは2020年9月25日から。日本では10月9日から劇場公開。Netflix配信は10月16日からとなっています。

鑑賞前に知っておくべきシカゴ7について

1960年後半、多くの死者を出し続けるベトナム戦争が続くなか、さらなる兵徴収を進めようとするアメリカ政府に対して国民の反発が高まっていた。

1968年8月イリノイ州シカゴで大統領選候補者たちが集まり、ベトナム戦争についてどう対応するかという議論が民主党の全国大会で行われていた。

会場近くのグランドパークで15,000人を超えるベトナム戦争に反対する若者が集まりデモを行い、その中の一部が民主党大会の会場に押しかける事態になる。

そのデモ隊を止めようとした警官隊との間での過激な衝突によって、数百人の負傷者が出ることになり、警官とデモ隊からそれぞれ8人が起訴された。

このうち暴動を扇動した共謀罪としてデモ隊の内7人が告訴された。彼らはシカゴセブンと呼ばれるようになった。

その後反戦活動は、ボクサーのモハメド・アリや、ビートルズ解散後のジョン・レノンなど数々の文化人が声をあげる大きな活動となってアメリカを揺るがす活動へと広がった。

『シカゴ7裁判』感想、考察。ネタバレなし

ベトナム戦争を止めるために命をかけた男たちの戦い。政府に抗議するために行ったデモは平和的に行われる予定でしたがそうはなりませんでした。
その原因はデモを取り締まる警察による、行き過ぎた暴力や人権を無視した弾圧にほかなりません。

Black Lives Matterのデモが起きている現代にも通じる内容で、アメリカ警察と判事つまりは政府による、国民に対する理不尽な抑圧を感じさせます。

ブラックパンサー党リーダーのボビー・シールについての差別は本当に胸糞悪くなるほどひどくて、これが事実なのかと疑うほどでした。そもそも滞在時間4時間でデモを扇動したという容疑を着せられたのはただの見せしめのようなものです。

2007年に脚本が完成していながら、ようやく12年後に映画公開にこぎつけたわけですがまさか10年もの時を経て同じような暴力や差別が行われているなんて。アーロン・ソーキンもそこまで見越してたわけじゃなかろうに...。
ですが、だからこそ今多くの人の心に響く作品となるともいえるはずです。

メインの登場人物がまず8人と多いなか、それぞれのキャラクターが生き生きと描かれています。

エディ・レッド・メインの冷静なように見えて、正義感と熱い闘志がみえる演技は印象的でした。
対照的なキャラクターを演じたアビー役のサシャ・バロン・コーエンは口がうまく、ふざけたりおちょくるような態度をとりますが、自分の信念を曲げない強さを見せるキャラクターを見事に演じています。イギリスの国民的コメディアンとして活躍する彼ならではの魅力を感じました。

個人的に大注目だったのが、ブラックパンサー党のフレッド役を演じたケルヴィン・ハリソン・jrです。『イット・カムズ・アット・ナイト』や『ルース・エドガー』『WAVES』など立て続けに話題作に出演しています。

知性と気品を感じさせるたたずまいの中に、鋭い目力で様々な役どころをこなすことができ、今後に期待している若手俳優のひとりです。

今回の出番は多くありませんでしたが、重要な役どころで存在感を発揮していました。やっぱり目力がすごい…!

局面で登場したマイケル・キートンはさすがの重厚感。
ジョセフ・ゴードン・レヴィットの安定感も言うまでもなく、映画の品格を支えていたように思います。

このクオリティの映画が家でいつでも見れちゃうなんてやっぱりNetflix最強。けど映画館で集中して観たほうが良さが倍増するだろう映画なのは間違いないです。

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