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Netflixドラマ「クイーンズ・ギャンビット」あらすじと見どころ徹底解説。【ネタバレあり】必見ドラマ!

2021年2月8日

Netflixドラマ『クイーンズ・ギャンビット』は1950年~60年代を舞台に養護施設で育った少女べスがチェスにのめり込み、チェス界のトップを目指す物語です。

このドラマの各エピソードごとの感想や考察を魅力ポイントを含めて解説していきたいと思います。

本当に上質なドラマで、チェスのルールが分からなくても楽しめるドラマとしておすすめです!

「クイーンズ・ギャンビット」キャスト

アニャ・テイラー=ジョイ(エリザベス・ハ―モン/ベス)
マリエル・ヘラー(アルマ・ウィートリー)
トーマス・サングスター(ベニー・ワッツ)
ハリー・メリング(ベルディック)
モーゼス・イングラム(ジョリーン)
マーチン・ドロシンスキ(ボルゴフ)
クロス・ピリー(アリス・ハ―モン)
ビル・キャンプ(シャイベル)

「クイーンズ・ギャンビット」エピソードごとのざっくりあらすじ【ネタバレあり】

1話「オープニング」(59分)

一緒に車に乗っていた母親が死亡したのがきっかけで、9歳で養護施設に入ったエリザベス・ハ―モン(以下ベス)。
規律が厳しい施設での暮らしでは、子どもたちに毎日精神安定剤が配られていた。
口は汚いが物事をはっきり言うジョリーンに薬の使い方を教わり、夜に薬の一つを飲むようにしたのだった。

大学の数学教授だったベスの母親アリスは、父親らしき男性ポールをベスから遠ざけていた。

施設の地下でチェスをする清掃員シャイベルに出会ったベスは、彼に教わりながらチェスにのめり込んでいく。
彼女の腕を知った強豪チェス部の教師が、ベスを高校のチェスクラブに招待する。その実力はチェスクラブの男子高校生の誰よりも優れていたのだった。

夜は薬をのみ、チェス番を天井に描いてイメージを浮かべていたベスは薬に依存し、施設の職員たちの目を盗んで薬を大量に盗んでしまうのだった。

子ども時代編!孤独になってしまったベスがチェスの才能を開花させていく。ジョリーンとのコンビがイイ。 

2話「エクスチェンジ」

14歳に成長し、里親に引き取られることなったベス。
ジョリーンに別れを告げ、美しい壁紙や家具がしつらえられた家に招かれたベス。ひとり部屋に胸をはずませていた。

里親夫婦は険悪な様子で、そっけなく出かけていく夫に継母は悲しげにピアノを弾いていた。父はベスに無関心。

学校では頭脳明晰なものの、周りの生徒たちに馴染めないベス。流行りの洋服に興味があるが母は買ってくれず派手な女子グループからはダサいと見下されていた。

病気がちな母親の薬をくすねて飲み、夜中には天井にチェスを浮かべる日々を送っていたが、近くでチェスの大会が行われることを知る。

シャイベルに手紙を書き、10ドルを借りて、初めてチェスの州大会に参加したベスは大学チームトップのタウンズに勝利する。そしてトップ選手だったベルディックをも破り、優勝したのだった。

優勝賞金で欲しかったチェス盤やチェスについての書籍、そして洋服を買ってきたベス。

母の提案で500ドルの賞金が出るシンシナティのチェス大会に出ることになった。

初潮が来たときにトイレで女性に「勝ってね」と励まされるシーンが良い。
「もう妻じゃない。でも母親にはなれる」と決意を固めた養母の変化が見どころ! 

3話「ダブルボーン」

1963年シンシナティの大会で優勝し、チェス界の新星として雑誌の取材を受けるなど一躍有名になったベス。
母親と各地を飛びまわり、数々の大会で優勝していった。

1966年ラスベガスの大会でタウンズと再会したベス。
記者をしているタウンズの部屋で取材を受けているとふたりの距離は近づいて行った。

初めて会った時から恋心を抱いていたベスは期待をするが、そこへタウンズの恋人らしき男性が部屋に戻ってきてしまったのだった。

ベニーに試合の的確なダメ出しをされショックを受けたベス。そして、彼との試合でついにベスは負けてしまった。

ファッションとヘアスタイルが垢ぬけ始めて本当に可愛い!ウェーブかかったボブスタイル最強。
ベニーに負けたことで遂に敗北のみじめさを思い知ったベス。負けを知ってから強くなる! 

4話「ミドルゲーム」

ロシア語のクラスの学生たちと一夜をともにしたベス。お酒と初めてのセックスをしったベスだった。

13歳の選手との対局に勝利し、以前から脅威に感じていたロシアのボルゴフとの対局が決まった。

国を挙げてチェスに力を入れているロシアの選手は強者ばかりで、ベスはボルゴフとの試合で負けてしまった。
その試合の直後部屋へ戻ると母はベッドに横になって死んでいたのだった。

初めてのセックスの後の表情や、彼女が自分で決定権を持って生き生きしている姿が
デニムにシャツやTシャツなどラフなスタイルも

高校を卒業してメキシコへ向かう。

メキシコシティのホテルは色鮮やかなステンドグラス越しの明かりがとても綺麗。
レインコート姿すら美しい。ダンガリーチェックの水着でプールを泳ぐ姿もキュート! 

5話「フォーク」

母の死後。ケンタッキーの自宅に帰ったベスは途方に暮れていた。そこへベルディックから敗戦の励ましの電話が掛かってくる。家へ招きチェスの練習を始める。

ベルディックと体の関係を結ぶが、ベスにはそれ以上の感情はなかった。
ベスの薬物依存について警告してベルディックは出て行った。

1967年オハイオにて米国チェス選手権にやってきたベス。夜にベニーに誘われ友人らとの指さしチェスに参加した。何度やってもベニーに勝てずにむしゃくしゃして眠りについたのだった。

翌日の決戦ではベスがベニーに勝利した。
パリ大会に行くか迷っているベスに、ベニーはNYの自分の家に来るよう誘う。
大会に向けて練習をするためだったが、「セックスは…」と言いかけてやめてしまったベニーにドキドキしたベスだった。

デニムに柄物の開襟シャツスタイルがたまらなくオシャレ!バンダナ姿もキュート。
セクシーすぎる。あんな音楽に合わせて踊る姿見せられて、私がベルディックでもあんな表情になる…。
セックスの後すぐにタバコをふかして本を読み始めるベスのカッコよさよ…。
ストライプの綿シャツのパジャマ姿も可愛い。 

6話「中断」

NYのベニーの家に泊まり込みで国際大会の特訓のためにやってきたベス。

モデルのクレオなどベニーの友人らと知り合う。
多面指しをするがベスの圧勝だった。ベニーをも何回も負かしたベスだった。

彼らが帰った後、ふたりは初めてベッドを共にした。
セックスが終わってすぐチェスの話をするベニーにベスはむっとしたのだった。

1967年パリ。
国際大会に参加したベス。
ボルゴフとの決戦の前夜クレオにバーに誘われる。一度は断ったもののどうしても惹かれて飲みにってしまい深酒してしまった。

翌朝、スタッフが部屋に呼びに来たときに目覚めバスタブから飛び出し、薬を飲んで試合に向かったのだった。結果ボルゴフとの試合は惨敗。

落ち込んだベスはケンタッキーの自宅へと帰ってきた。
養父が家の権利を譲渡しないことにしないといってやってきた。家を7000ドルで買取り、養父を黙らせたベス。
家のインテリアを自ら一新する。

サンフランシスコの大会に向けて準備していたベスだったが、お酒に溺れてしまう。
ボロボロの状態で大会にいくもののベルディックにアルコール依存症の症状を見抜かれ、心配だと声をかけられた。ベスは動揺して試合に出ずに帰ってしまった。
家で居眠りしているとドアを叩く音が聞こえてきた。ジョリーンが訪れたのだった。

ホテルのインテリアの美しさ、会場の上品さに目が釘付け。
衣装はシックなワンピースがメインになり髪型は外ハネスタイルに。シックなレディらしさが美しい!
ランジェリー姿でグロッキーに踊る姿もたまらない!

7話「エンドゲーム」

過去の思い出のシーン。母親と車である豪邸に済む男性に会いに行ったベスと母親。母親はひとりでベスを育てていたが、生活が苦しくなり助けを求めに行ったようだった。しかし受け入れられず帰り道の車内で「目をつぶって」と言われて車に突っ込んだのだった。

ジョリーンは法律事務所で働いていた。ロースクールを目指していた。
薬物やアルコール依存のことを打ち明けるベス。
ジョリーンに連れ出されて、シャイベルの葬式に向かうことになった。

気が進まないながら、養護施設へ訪れたベスは地下室のシャイベルのスペースで、自分の新聞記事の切り抜きが大事にスクラップされているのを見つけたのだった。

シャイベルと2人で映った写真を手に涙するベスを慰めるジョリーンだった。

支援を受けている宗教団体から声明を出すことを断ったベスはロシアの大会に向かう支援金の当てを失い困っていた。

ジョリーンが資金を出してくれると言う。「あなたにはわたしだけ、逆もそう。お互いの存在が孤児じゃなかった。救うわけじゃない。ただそばにいる為に来た。家族だから」と言うジョリーン。

~1968年モスクワ~

大会で強豪相手にも順調に勝ち進めていくベス。試合後は会場の後に女性をはじめ日に日に大勢のベスのファンが押し寄せるようになった。
尊敬していたプレイヤーにも人生で最強のプレイヤーだと称賛されたベスは喜ぶ。

連日の試合に疲れたベスは自室で過去の記憶を思い出していた。父親らしき人に会いに行った帰り道「あなたをどうするか。」と言って車に突っ込んだ母の記憶。トイレに薬を流して平静を保とうとするベスだった。

翌日ボルゴフとの試合はボルゴフによって途中で中断に。ホテルへの帰りに記者からの取材を受けるベス。シャイベルからチェスを習ったことを絶対に記事に書くように記者に言ったのだった。

記者の中にタウンズの姿が。彼女をサポートすることにしたのだった。

翌朝、タウンズの入れたコーヒーの香りで目覚めたベス。そこへ電話が掛かってきた。ベニーやベルディックなどチェス仲間たちがベニーの家に集まり、前日のボルゴフとの試合の盤面を見ながら作戦を立てていたのだった。
それぞれの作戦を感謝しながら聞いてメモを取ったベスだった。

そしていざ決戦。予想したパターンではない手をだしたボルゴフ。ベスは深呼吸して天井にチェス盤描き駒を打っていく。
そして見事ボルゴフに勝利したのだった。

ボルゴフと笑顔で握手とハグをして会場から出たベスは大観衆から声援を浴びて立ち去る。

車内で大統領との面会の話など、優勝したことによって様々な予定を付き添い人から聞かされるベス。

車を止めて外を颯爽と歩きはじめた。白いパンツルックにコートと丸みのある帽子はまるでクイーンの駒のよう。

道でチェスをする老人たちの元へやってきた。ベスを笑顔で囲む大勢の老人たち。
「ぜひ一局」と言ってひとりの老人とチェス盤をはさんで向かい合って座るのだった。

大会では様々なワンピースを着こなしてすべてシックで美しかった!黒と白の切り替えが美しいワンピースや、胸元の切り替えが美しい黒のワンピース。丸襟とコロンとしたボタンのワンピースなどなど…。
最終話はすべてのまとめとして素晴らしく感動的なストーリーでした!感動…!

「クイーンズ・ギャンビット」感想、考察。ネタバレあり

このドラマの主人公ベスは天才的なチェスの才能を持つキャラクターながら、完全無欠ではなく依存症に苦しむ姿を描いていたり、孤児院育ちで孤独感を抱える女性という点が魅力的です。

ただのサクセスストーリーではなく、自分の出生に向き合いながら強く立ち上がる物語なのです。

ドラマの魅力を2つに分けて解説していきます。

ベスに関わるキャラクターたち

孤児院で育ち、養母に裕福な家に迎えられて…という展開だと、いじめだったり良い扱いを受けないんじゃないかと予想してしまいますが、そんな古典的な展開はなく養母との関係は特殊でした。

血のつながりがないからこそ程よい距離感が生まれ、友情のような絆もありつつ大人の女性になることをベスに教えた存在だと言えます。

NYで共同生活をしたベニーと、ベスに恋心を寄せたベルディック。両者ともにチェスのライバルとして登場しましたが、良き理解者かつ友人になっていきました。

特にベルディックは再会したころには人が変わりすっかり素朴なキャラクターに。ベスに負けたことで毒抜きされたかのよう。

ベスが一時的に特別な想い(おそらく性的な)を抱いていたベニーに関しては、セックスが終わってみたら「こんな感じなのね」の一言。

執着しない様子が潔いのと、女性からすると共感も覚えます。

ライバルだった相手が憎むべき敵ではなく、助言をくれたり支えてくれる存在になっていくのが観ていて心地よく、変に競争を強調しないのが良いです。

宿敵ボルゴフであっても、決戦で負けた瞬間笑顔で握手を求めました。国をあげてチェスを行っているロシア選手としてはその後どんな批判を受けるのかと気になりますが、紳士的かつ正々堂々とした姿に胸が熱くなります。

ボルゴフのキャラクターは、ベスの人生にそれまで接点がなかった父親像をどこか投影していたようにも思えました。
それは初めてのボルゴフとの試合前に外で偶然鉢合わせた時に、彼が家族と一緒にいたことからも想像できます。

彼に勝利したベスが街頭でチェスに興じる老人らに微笑ましく囲まれるシーンからは、ようやく自分に胸を張って生きていけると確信したのが伝わってきます。

試合に勝った瞬間がクライマックスではないというが素晴らしい!

忘れてはいけないのが、ジョリーンとシャイベルの存在。孤児院を出てから全く接点がなかったジョリーンとの再会はベスにとって不可欠だったように思います。このふたりはベスにとって家族でかけがえのない存在だといえるでしょう。最終話に持ってくるところがニクイ!

ベスの人間らしい潔さと弱さ

こういった男社会の中で勝ち上がっていくストーリーだと、女性差別や妬みなど激しい競争が描かれそうですがこのドラマはそうではありませんでした。

もちろん、紅一点で目立ってしまったり、取材でも「女性だから」という取り上げ方をされてしまったというのはありましたが、その差別を寄せつけない圧倒的強さが本作の魅力でしょう。

また、家を買い取るときも用意されたスピーチを断るときも、大金の使い方が潔くてカッコいい!
自分の腕でお金を稼ぎ、自分のポリシーに従って生きる姿にはやはり惚れ惚れしてしまいます。

それでいて、ドラッグやお酒に依存して堕落してしまう弱さもありました。実の母の死、本当の父であろう人から拒絶されてしまったことがベスにとって拠り所がないという心理を抱かせていたのだと思います。

その孤独感が、いつしか依存症から抜けられない要因になっていました。しかし、ジョリーンをはじめベス自身が切り開いた人生で出会った人物との信頼関係が心の拠り所になるのだと気づいたのです。
そうして彼女は自信を取り戻したといえるのではないでしょうか。

まとめ

このドラマはベスを演じたアニャ・テイラー=ジョイの魅力だけでも語りつくせないほどです。少女時代から大人の女性になるまでの美しい変貌は、衣装やメイクはもちろんのことその演技も含めて素晴らしいものでした。
ゴールデングローブ賞に今ドラマでノミネートされていたのも納得です。ぜひ獲ってほしい!

また、メイキングの裏話もNetflixで配信されています。そこで、照明を意識して撮影されたという話があったのですが、改めて観ると確かにホテルの客室の間接照明からバスルームのシーンなどさまざまなシーンで絶妙な色合いと登場人物を照らす照明の具合
が見事です。
そちらに注目して観ても楽しめると思います。

ファッションの魅力については上のあらすじにそれぞれまとめています!

※画像はIMDBより引用

 

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