映画

『暗数殺人』感想、考察。ラストネタバレあり。現実にはびこる暗数に迫る、実話に基づくサスペンス。


正直少し物足りないような…。
実話をもとにしているんだったら凄いな。という印象でした。

評価点60点  
 〔2020.11.24投稿〕

 

『暗数殺人』作品情報

監督:監督・脚本キム・テギュン

脚本:クァク・キョンテク

キャスト:キャスト キム・ユンソク、チュ・ジフン、チン・ソンギン、チョン・ジョンジュン、ホ・ジン

刑事のキム・ヒョンミン役を務めたのは、『チェイサー』『悲しき獣」のキム・ユンソク
犯人のカン・テオ役を務めたのは『アシュラ』や『神と共に』のチュ・ジフン
同僚刑事チョ役に『犯罪都市』や『エクストリームジョブ』のチン・ソンギュが出演しています。

監督のキム・テギュンは本作で釜日映画祭監督賞、青龍映画祭脚本賞を受賞している新鋭監督です。

製作総指揮、脚本を務めたクァク・キョンテクは監督脚本を手がけた『友へ チング』でヒットをあげ、『黄泉がえる復讐』『極秘捜査』などのヒット作品も手がけています。

『暗数殺人』あらすじ

恋人を殺害した罪で逮捕されたテオ。逮捕時に偶然居合わせた刑事ヒョンミンに「他に7人殺した」と主張します。他の刑事は取り合わなかったものの、ヒョンミンはその主張に信憑性を感じ捜査を始めます。
証言した現場で白骨が発見されてから容疑を否認するテオに振りまわされていきます。

『暗数殺人』感想、考察。ネタバレあり。

「暗数」
実際の数量と統計上あつかわれる数量との差。主に犯罪統計において、警察などの公的機関が認知している犯罪の件数と実社会で起きている件数との差を示す。
ー「デジタル大辞泉」小学館より
公式ホームページより引用

社会にひそむ未解決事件に迫る内容になっています。

猟奇殺人を繰り返す犯人の供述をもとに捜査を行うものの、そのほとんどが過去の事件の記憶を繋げたものであったりして、証拠が掴めず混乱させられる刑事のヒョンミン。

「暗数殺人」のタイトル通り、明確な証拠がないせいで逮捕に至れないという状況が現実に多く存在しているという問題に切り込む作品になっていました。

ただ実話をもとにしたクライムサスペンスということで、エンタメ感は少ないラストとなった印象です。

供述をもとに数々の事件を解決するような展開であればスッキリとしたかもしれませんが、ラストまで未解決事件が残りました。
むしろ犯人が収監中に自殺したというところまで描いたほうがドラマチックだったのではないでしょうか。

ちょっと不完全燃焼なラスト…。それが「暗数」にフューチャーしたものだから当然といえば当然かもしれませんが。

本作で最も盛り上がったのは、始めの犯人テオが逮捕されるシーンのテンポの速さだったように感じました。単刀直入に物語に引き込まれたはじめの数分がとても面白い!

掴みはばっちりスリリングでしたが、後半にかけて闇が深まるごとに静かに終わっていった印象の作品でした。

-映画

© 2024 Powered by AFFINGER5