ヒューマンドラマ

『ラスト・フル・メジャー』感想、考察。実話をもとにした英雄の物語。父の思いがあふれた感動作。

2021年3月9日

『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』を観ました。
ベトナム戦争で多くの命を救った実在の米軍兵にまつわる物語で、見応え十分でした!
隣りの席のおじいちゃんが泣いてて余計に泣いちゃいました…!
評価80点   

※画像は映画.COMより引用

『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』作品情報


監督:トッド・ロビンソン

キャスト:セバスチャン・スタン、クリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート、エド・ハリス、サミュエル・L・ジャクソン、ピーター・フォンダ、ジョン・サヴェージ、ジェレミー・アーヴァイン、ダイアン・ラッド、エイミー・マディガン、アリソン・スドル、ライナス・ローチ、デイル・ダイ、ブラッドリー・ウィットフォード

『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』解説

「キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズ」シリーズのセバスチャン・スタンが主演を務め、ベトナム戦争で多くの兵士の命を救った実在の米空軍兵ウィリアム・H・ピッツェンバーガーの知られざる真実を描いた社会派ドラマ。1999年、アメリカ。空軍省のハフマンは、30年以上も請願されてきたある兵士の名誉勲章授与について調査を開始する。1966年、空軍落下傘救助隊のピッツェンバーガーはベトナムで敵の奇襲を受けて孤立した陸軍中隊の救助に向かうが、激戦のためヘリが降下できず、その身ひとつで地上へ降りて救出活動にあたる。しかし彼自身は銃弾に倒れ、帰らぬ人となる。ハフマンは当時ピッツェンバーガーに救助された退役軍人たちから証言を集めるうちに、彼の名誉勲章授与を阻み続けた驚くべき陰謀の存在を知る。共演にはクリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート、サミュエル・L・ジャクソンら豪華キャストが集結。名優ピーター・フォンダの遺作となった。監督・脚本は「ファントム 開戦前夜」「ロンリーハート」のトッド・ロビンソン。 ―映画.COMより

『ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実』感想、考察。ネタバレあり。

ベトナム戦が元米兵たちに残した傷跡は計り知れません。それは、『タクシードライバー』や『ランボー』などこれまでに様々な映画で描かれてきましたが、本作でも元兵士たちのトラウマやPTSDがとてもリアルに描かれていました。

彼らは自分の身を守るのに必死なのが当たり前のはずなのに、自分のとっさの判断や感情に対して帰国後ずっと後悔し、苦しめられていたのです。

許されるべきとかではなく、それは戦争の最中に居れば当然で本能的な行為だったとしても彼らにはその当然が分からなくなっているのでしょう。
平和ボケしている今の日本では想像しがたいですが、本作では戦争の残した傷跡はいつまでも残り続け、記憶が薄れることはないというのがひしひしと伝わってきました。

空軍兵ながら地上に降りて闘いに加勢し、多くの陸軍兵士たちの命を救ったピッツェンバーガーに名誉勲章の授与を求めるのは、彼に助けられた兵士をはじめとした多くの占有とピッツェンバーガーの両親でした。

遺族の苦しみがここでは鮮明に描かれ、さらに主人公のハフマンに息子がいてこれからもう一人生まれるという設定がより父親としての想いというのを分かりやすく見せていたと思います。

そして、最後の授与式でのスピーチが非常に感動的でした。ひとりの人間がこんなにも影響を与える。亡くなったピッツェンバーガーだけでなく出兵していた全ての元兵士たちを労い、誇る感動的なシーンでした。

豪華俳優陣による共演

まずはエド・ハリスの渋かっこよさったらなくて、歳はとったものの涙を一筋流して後悔を語る演技はすばらしかったです。スクールバスで乗りつけて降りてくる姿がものすごくカッコいい!

先日訃報が知らされた、クリストファー・プラマーは戦争で息子を亡くした父親役でした。やはり名演技で存在感たっぷりでした。

主人公のハフマンを演じたセバスチャン・スタンもシリアスな役どころをしっかりと演じ切り、父親の顔と真実を貫く勇気ある男の役を好演していたと思います。バッキ―出世したね!
サミュエル・L ・ジャクソンの共演もやはりうれしいところ。

見応え十分な映画でした!

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