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『スパイの妻』ネタバレなし感想、考察。蒼井優の圧巻の演技によるラブサスペンス。

2020年10月3日

 

ただの時代ものサスペンスだと思ってたら、そのジャンルにとどまらずひとの狂気的な部分まで描いた映画だった!

とにかく蒼井優の演技が凄い!舞台を見ているような独特な雰囲気もあって、意外性があって楽しめた!

評価75点 

『スパイの妻』キャスト、スタッフ

監督:黒沢清(『CUREキュア』、『ニンゲン合格』、『カリスマ』、『回路』、『散歩する侵略者』など)

脚本:濱口隆介(『ハッピーアワー』『寝ても覚めても』)

野原位(『ハッピーアワー』)

音楽:長岡亮介(東京事変のギタリスト、ペトロールズのリードボーカルとギター担当。星野源など様々なアーティストのサポートを行う)

キャスト:蒼井優、高橋一生、東出昌大、坂東龍汰、恒松祐里、みのすけ、玄理、笹野高史

『スパイの妻』感想考察。ネタバレなし。

昭和初期の日本を舞台に国を敵に回した夫とその妻を描いた物語です。

狂気的なまでの夫への想いが妻の人生を脅かしていきます。

サスペンス的展開はほどほどに、愛情と裏切り、正義と忠誠を描いたヒューマンドラマとしてのおもしろさが濃かったように感じました。

何よりもそう感じさせたのは蒼井優の鬼気迫る演技

時には夫が居なければ何もできないか弱い妻であり、時には自分の執念のために命すらもなげうって賢く立ち回るひとりの女を好演していました。シーンごとのさまざまな衣装も見もので、細部まで作りこんでいるのが伝わる要素の一つだったと思います。

舞台のような独特なセリフまわしは、違和感があるほど結構濃かったですが、蒼井優はもちろんのこと、高橋一生、東出昌大の演技をよりその世界観に染めていたようにも感じられます。

高橋一生の良いやつなのか悪いやつなのかわからない絶妙な感じがさすが…。東出昌大の冷徹で妄信的な演技がすごく際立っていて見応え十分でした!

印象的だったのは拷問シーンや、病棟のカットでのホラーさながらの迫力とおどろおどろしさ…

ここはやはり黒沢清監督ならではの演出だったんじゃないでしょうか。

見えないからこその恐怖がたまらない…!暗闇と混沌に沈む病棟の不気味さったらない!

ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した本作、セリフ回しまではきっと海外ではわからないだろうけど、、衣装やセットなどによる再現力や時代物サスペンスにとどまらず人間の本質まであぶり出すようなドラマ性と世界観の構築によって評価をうけたのかもしれません。

※画像は映画.COMより引用

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