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『スキャンダル』感想、考察。シャーリーズ・セロンはいつでもカッコいい。

2020年9月14日


セクハラの事実に思わず顔をしかめてしまう…。不快。
予告の雰囲気から、強い女性が権力者を蹴ちらす系だと思いきや最後はそんなにスカッとはせず。事実に基づいてるから仕方ないんだろうな。

評価65点【ユーネクストでポイント鑑賞しました。2020.9.13時点】  

 

『スキャンダル』感想、評価。ネタバレあり。

ハリウッドの大女優、シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーの3人がアメリカの大手テレビ局FOXのキャスターを演じた映画です。
日本人メイクアップアーティストのカズ・ヒロ(辻一弘)が2度目のアカデミーメイクアップ賞を受賞して、公開当時話題になっていましたね。

監督は『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』のジェイ・ローチ、脚本は『マネーショート 華麗なる大逆転』でアカデミー賞を受賞したチャールズ・ランドルフです。

2016年にハリウッドで実際に起きたセクハラ訴訟を描いているということで、実際の被害者だろう女性が数人登場して証言するシーンが印象的でした。全員綺麗な人ばかり…。

また、驚きだったのがひとりが告発したからといって他の被害者もすぐに声を上げるわけではないということでした。
自分のキャリアを手放したくないという気持ちは上昇志向が強く、自分の仕事にプライドを持っている人なら当然簡単には捨てられないものでしょう。
そのプライドをへし折るようなひどいセクハラ。その立場に自分がもし立った時、もしかしたら…と想像すると本当に気分が悪くなります。(それだけリアリティのある見せ方をしたのは凄いという意味で。)

3人の世代も立場も違う女性の目線からみた社内告発というのを、とても具体的に描いていてTV業界に詳しくなくてもハラハラして観ることができました。

中でも、シャーリーズ・セロン演じるメーガン・ケリーの部下たちの反応が社内告発の闇の深さに迫っていたと思います。権力、発言力をもつメーガンがセクハラ問題について声をあげようとするものの、部下たちからは「攻撃されるのはメーガンではなく自分たちなのを考えてほしい」と言われてしまいます。

社会に属して権力を持つことは、自由なようで責任がともなうことで正義を貫くのも簡単ではないのだと考えさせられました。

そして、最後マーゴット・ロビーがオフィスを出ていくシーンについて。変わらない組織を見限る強さを見せたシーンだと思いますがそうできない人がどれだけいるんだろうと思わざるを得ません。

キャスターは見た目が重要なのは正論だけれど、それが本人の武器ではなく権力者の私利私欲の道具にされるのは本当に許せない。実際に声を上げた女性たちを誇りたいし、これを前例にセクハラが男女問わず撲滅されることを心から祈ります。

※画像は映画.COMより引用

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