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『ブロークン・イングリッシュ』感想、考察。ネタバレなし。恋に憶病になった30女性に訪れたロマンス。

2020年10月14日

 

ヒロインがメンヘラすぎる。けどわかる…。
恋に悩む30代の女性がロマンチックな出会いをきっかけに変わっていく物語。
ベタなストーリーながらニューヨークとパリの街並みがおしゃれで観ていて楽しい。
メルヴィル・プポーの色気にうっとり~。

評価60点  

 


〔2020.10.14投稿〕

『ブロークン・イングリッシュ』作品情報

監督: ゾーイ・カサヴェテス

公開年: 2007年

製作国: アメリカ、フランス、日本映画

キャスト: パーカー・ポージー、メルヴィル・プポー、ジーナ・ローランズ

監督のゾーイ・カサべテスは、名匠ジョン・カサべテスと、女優ジーナ・ローランズの実娘で、本作は彼女の初の劇場公開作品となっています。ほかの監督作としては2000年に20分の短編『Men Make Women Crazy Theory(原題)』や2015年に『Day Out of Days』の2作品を撮っているようですが、日本ではビデオスルーな模様。

ジーナ・ローランズは本作にも出演していますが、ブロードウェイで活躍した後、映画ドラマなど多数出演している大女優です。

過去の出演作のなかでは、夫の監督作である映画『こわれゆく女』
(1974)でアカデミー賞主演女優賞ノミネート、ゴールデングローブ賞を受賞。
また同じく夫の監督作『オープニングナイト』
(1978)でベルリン国際映画祭にて銀熊賞(女優賞)を受賞し、広くその演技力を評価されています。

ジョン・カサべテスは1989年に肝硬変により逝去してますが、映画監督、俳優など幅広く活躍しその偉業を残した人物です。

1968年『フェイシズ』で多くの映画祭で評価されインディペンデント映画というジャンルを獲得したのち数々の映画作品を監督。『グロリア』(1980)はヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞、『ラブストリームズ』(1984)はベルリン国際映画祭にて金熊賞を受賞するなどして、その実力は認められています。

本作の主演は、パーカー・ポージー。ジュリアン・シュナーベル監督の『バスキア』
(1996)、ウディ・アレン監督『カフェ・ソサエティ』『教授のおかしな妄想殺人』などに出演しています。

本作のキーパーソン役はメルヴィル・プポー。エリック・ロメール監督の『夏物語』、フランソワ・オゾン監督の『ぼくを葬る』、グザヴィエ・ドラン監督の『わたしはロランス』
に出演しています。

『ブロークン・イングリッシュ』感想、考察。ネタバレなし

男運が悪い。これは一言で済ませられない大問題である。

恋愛の失敗は自尊心をメっタメタに傷つけて、人生すべてにおいて取り返しがつかないほどの絶望感をもたらす。

そんな絶望感のなかにいた主人公ノラに、女性なら一度は夢見るようなロマンスが訪れる…。

ちょっとメンヘラすぎる?って感じの主人公ではあるけど、わからなくもない彼女の心境。
この辺は男性には理解しがたいのかもしれません。

自分は誰にとっても一番の存在じゃなくて、消え去りたくなる感。わかる…。

一緒にお風呂にはいるシーンで「これってなんの意味があるの?」と聞くセリフから、もう傷つきたくないという気持ちがくるしいほど滲み出ていました。

メンヘラ度高めだったノラが親友の助けも借りつつ、自立した女性になっていく姿に心がすっとするし、ノラを演じたパーカー・ポージーのチャーミングさが憎めないキャラクターとしてバツグンにはまっていたんじゃないでしょうか。

そして、ジュリアン役のメルヴィル・プポーの目力と色気がすごい!
グザヴィエ・ドラン監督の映画「わたしはロランス」ですっかり彼に魅了されて、この映画を観るきっかけが実は彼目当てだったりしたのですが、その点ではもう大満足。フランスのモテ男を好演していました。

ロマンスの展開としてはわりとストレートでベタに近いものの、すこし黄緑色がかったような色味と、舞台であるニューヨークとパリの街並みがおしゃれ感を引き立てています。

まったりしながらおしゃれな恋愛映画を観たいときにおすすめです。

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